張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

あり得ない円高不況

このタイトルを見て、奇異に感じた人が多いと思います。その人はマインドコントロールに掛かっていると思って間違いないでしょう。

円はドルに対して戦後最高の75円台の相場が実現しました。例のごとく1円円高になれば数億円の為替差損が発生し、輸出企業は大幅赤字で大変だ!と言う記事が目立ちます。本当にそうでしょうか。

現実のデーターから判断すると、円高による不況はあり得ないことが理解出来ます。今から40年前は1ドル360円でした。現在は75円台です。この40年間に円の価値は4.8倍に上がっています。例えば40年前高級車ベンツが500百万円したとします。円高メリットを正しく計算すれば現在では100百万円で購入できるはずです。現実は現在でも500百万円です。この差額は円高メリットとして流通業者等の利益として確保され、回りまわって日本国民の富の蓄積に貢献していたのです。

更に2010年のデーターから説明しましょう。日本のGDPは479兆円、この内輸出に回った金額は67兆円です。つまり日本の輸出依存度は他国に比べ極端に低くわずか14%に過ぎないのです。この輸出の内約70%は生産財の輸出で残り30%が耐久消費財です。生産財は輸入国がこれを使って製品を完成させるもので、円高で輸入価格が高くなっても使わざるを得ないものなのです。だから生産財の輸出に関しては円高の悪影響は本来は起きないのです。

一方輸入については60兆円です。資源小国日本は各種の原料は、殆ど輸入に頼っています。円高は日本国内に莫大なメリットをもたらします。先のベンツの話のように流通業者等が先ずメリットを享受し、これが回りまわって日本の富の蓄積に貢献しているのです。これがインフレ傾向の世界の中で、唯一日本はデフレとなっている原因の一つなのです。

円高の原因には諸説がありますが、一千兆円の国債・地方債を抱える日本が何故円高なのでしょうか。おかしいですね。実は一千兆円は国民の預貯金となり財産として残っているのです。それに世界一の債権大国です。世界で一番強い通貨が円である事が認識され、円が買われているのです。中国しかり、アラブ諸国しかり、世界のお金持ちが安全資産として円を購入しているのです。

お隣の韓国はどうでしょうか。ウオン安で輸入物価が上がり、これがインフレとなって生活物資が高騰し、社会不安が起きつつあるという報道をどう捉えるでしょうか。
円高で不況は起きないのです。マインドコントロールから目覚めましょう。