張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

王道経営と覇道経営

王道経営とは、良心に従って経営し、覇道経営とは詐術や異常な金儲けを中心にする経営を言うと、取りあえず定義しましょう。

9月3日の日経新聞に「返済猶予後の倒産増加」の見出しで、以下の記事が掲載されていたことをご存じでしょうか。曰く、今年1月から8月までの倒産件数は前年度の1.7倍に増加。資金繰り支援策の効果が薄れ始めており、今後の企業倒産の増加を予想する声が多い。

亀井静香前金融相の中小企業支援の目玉政策は09年末に施行された「金融円滑化法」であり、金融機関に対して中小企業や個人から金利減免や返済猶予などの返済条件の変更について、申し込みがあれば応じる努力義務を課した。

この結果、何が起こったか。
本来ならば条件変更をお願いする立場から見れば、企業再建のための理念作りから経営方針の確立、中長期的な経営計画をトップ自ら考え抜き、作成して提示するのが王道経営である。

ところが現実には、苦しい資金繰りから逃れるために、理念の設定や経営方針の確立を無視し、銀行員の言われるままに数字を書き写したり、単なる数字合わせに終始し、形だけは立派な再建計画であるが、魂が入っていないので数年で嘘がばれてしまう詐術を使う覇道経営を行っている。これでは新聞記事に見られるような事態は当然の結果と言われても仕方がない。

法律執行から今年6月末までに115万社が利用したと言われており、この時限立法は来年3月まで延長されている。

事業再建計画作成の勘違いとは。
金融機関から提示される事業再建計画は、一見複雑に見えますが、必要項目を全て記入する必要はありません。取りあえずトップ自らの考えを示すことが不可欠なのです。トップ自らが一年以内に事業再建計画を提出しますと意思表示だけすれば金融機関は了解する事になっています。先ずは中・長期の事業展開をトップ自ら描くことが大前提です。しかも大まかで良いのです。これが王道経営です。
一度覇道経営をしてしまうと一挙に信用を失ってしまいます。
どちらを選択しますか?