張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

直間比率の見直しについて

直接税・間接税の割合のことではありません。経営上大切な労働分配率に関係する話です。ブログ223号で労働分配率の重要性について記述しました。この中で付加価値を生むのは物作り業種では直接生産に携わる直接工、販売業では販売員で、それ以外は間接人員で、この割合が業績を左右することを強調しました。

理想的な直間比率は8対2。一歩譲っても7対3。我が社の比率はどうなっているのか検討してみましょう。折角直接人員が付加価値を稼いでも、間接人員が多くなれば体質は弱体化します。

ここでは間接人員の本質について検討し、どうすれば削減できるか考えましょう。ラインとスタッフと言う区分も同じですが、スタッフの役割は何でしょうか?スタッフとはラインに対するサービスの提供と経営者に対する資料の提供が含まれています。ここで問題になるのが経営者に対する資料の提供です。
社内には多数の資料が存在しますが、大別すると三種類に区分出来ます。一つは金銭に関するもの。二つは各種の法律に定められた書類。三つ目は日常業務に必要な帳票類。ここで問題になるのが三つ目の日常業務に必要な帳票類です。

経営者の仕事は「事業の経営」であり、会社の内部を管理することではないという原則を理解する必要があります。経営者がスタッフに要求することはただ一つ「事業の経営」に役立つ資料の作成です。そのためには、社内の各種の資料について、何の目的で作成されているのか、本当に経営判断に役立つ資料なのか、常にチェックを入れる必要があります。これを疎かにして、ただ何となく作成したり、過去の習慣から惰性で作成しているケースがあまりにも多いのが現実です。無駄な資料作成にも膨大なコストが掛かっていることを理解し、間接人員の徹底した見直しにより、体質強化を図る必要があります。
経営者が無関心のため、担当者は自分の都合で各種の資料を作成しているが、この資料を活用しているケースが極めて少ない現実を直視してもらいたい。
中には月次資料を作成するのに、相手の締め日に合わせず必ず1日から月末までに集計し直し、資料の正確性を自慢したり、社内の固定費をきめ細かく現場毎に配分してキチンと整理しているが、誰もこの資料を活用していないとか、経営者の見たこともない資料が山積みされている等々。内部には無駄が如何に多いかを再認識すべきです。最良の解決方法は経営者が要求した資料以外は作らせないという決意を示すことです。直間比率の見直しは経営者の強い意志で決まるのです。そしてこの結果が体質強化に通じるのです。