張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

一刻も早く力強い決断を国民に示せ!

地震津波原発事故の三重苦は未曾有の国難となってから既に2週間が経過した。何回も指摘しているが、国家とは国民の生命・財産・安全を保障するために存在する。未曾有の国難で国民の生命・財産・安全が最大の危機に瀕している今、国家が先頭に立って全力を挙げて守り抜くという力強い声明を一刻でも早く出すべきである。
危機に直面し、恐怖と不安に駆られている被災者の凍り付いた心を和らげてやるには国家が先頭に立って必ず救済し、復興するという強い信念を示すことである。然るにたまにテレビで国民に発表する声明は状況声明が中心であり、強い信念が全く伝わってこない。

政府は4月11日「復興計画を」発表するとしているが、この国難を本当に理解しているのか。こんな悠長なことで国家の使命が果たせるのか。一刻も早く、津波による被災者には国家の責任において衣食住を保障する、原発事故の避難民や放射能による食品被害者には風評被害を含めて、解決するまでの長期間国家が全面的に保障する等々。先ず避難民を安心させる事が先決であり、詳細については関係機関との調整を経て粛々と進めれば良い。

避難民の生活苦を考慮して仮設住宅の建設を急いでいるが、資材不足で困難との報道が出ている。放射能汚染地帯では短期間で帰ることも出来ず、津波被害者は極限の生活を送っている。一刻でも早く安心してもらうためには仮設住宅に頼らず、休業や廃業したホテルを国家が借り上げて、移動できる人たちを直ちに安心させる方法もある。避難民即仮設住宅ではなく、今できることは何かという発想転換をすべきである。

孫子曰く「兵は拙速なるを聞くも、今だ巧久なるを見ざるなり」。多少粗雑ではあっても一刻も早く行動せよ。じっくり時間をかけて計画を練ってから行動して成功したということを聞いたことがない。と言う意味で、正に今が決断・実行するときである。産経新聞によると復興計画の発表を何故4月11日伸ばしたのか。その理由は劣勢確実な地方選挙の結果が4月10に確定するので、それを待っているという。全くこんな重要なことを政局に利用しようとしている。

孫子の言葉に「呉越同舟」という有名な言葉があります。呉と越は仇敵同士だが強風で今にも船が転覆しそうになれば呉人も越人も普段の敵愾心を忘れ、互いに助け合って危機を乗り越えようとする。何を言いたいか。昨年9月の民主党代表選挙は206人対200人で小沢代議士が僅差で敗れたとはいえこの勢力は侮りがたい。然るに「政治とカネ」の風評を利用して小沢代議士の党籍を剥奪した状態である。未曾有の危機に立ち向かうに当たって、片肺非行ではあまりにも非力である。今、「呉越同舟」の精神を生かし国難に対処するならば総理の力量は自ずと上がる。しかし、政局に利用するという下心があるならば史上最低の汚名を着ることになる。民主党の内部を固める努力をせず、野党を抱き込もうとする姑息さは今の国難には必要がないのである。この国難は片肺非行で解決するような生やさしい事態ではないことを認識し、国民を救うという強い決心を一刻も早く発表すべきである。