張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

もしも企業経営だったら

今、話題の尖閣列島ビデオ事件の対応について、企業の経営に当てはめると、その会社は完全に倒産します。何故か。企業存続の絶対条件はお客様の存在である。お客様があって我が社が存在するという根本原則を忘れているからである。

例えば我が社が不良品を検査ミスで出荷してしまった場合を考えよう。トップとして第一に考えなければならないことは、お客様に迷惑をかけたことを真っ先にお詫びし、利害を超えて全力で対応することであり、社内での不良品発生の原因究明や犯人捜しは二の次でなければならない。お客様の要求を知り、誠意を持って対応しない限り、お客様からは見捨てられ、挙げ句の果ては赤字の連続で倒産という鉄槌を食らうことになる。企業の経営ではごく当たり前の常識である。

今回の尖閣ビデオ漏洩事件で見てみよう。本日正午海上保安庁憂国の志士が名乗りを上げて一応の解決を見た。後は国内法に従って決定すれば一件落着である。ところが一連の報道を見る限り犯人捜しに躍起になって、中語に阿り問題の本質をそらそうと言う姿勢がありありとしている。

政府にとってお客様とは誰なのか。第一義的には国民であり、第二義的には世界の友好国である。この国民が「知る権利」として最も望んでいる情報公開を「近隣諸国が嫌がることはしない」と言う発想と土下座外交によって封印してきた。また真実を友好国に情報公開し日本の立場を理解してもらうという戦略のかけらもなく、ひたすら封印に固執してしまった政府に問題がある。

この結果、国民からそっぽを向かれ、一挙に支持率を失ってしまった。国家の経営も企業の経営も本質は同じなのである。今の内閣に経営者としての資質が欠けていると言わざるを得ない。今の与党は、長い間万年野党として行動してきた。この本質は自民党に対する反対ばかりに精力を使いすぎて、国家の運営という最も大切な資質の勉強を全く行っていなかったことが、この一年間の迷走ぶりで暴露されてしまった。
政権与党は日本国のグランドデザインを早急に確立し、世界から最も信頼され尊敬される国家として再構築をしない限り、お客様は取引を停止するでしょう。あまりにも不勉強が露出された一ヶ月間でした。
お客様は冷静に見ていますよ。一日でも早く戦略を持った国家として再出発して欲しい。