張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

職を賭した憂国の志士?

 平成22年11月5日、9月7日に尖閣列島海上保安庁の巡視船に衝突した事件の映像がインターネットの「ユーチューブ」で流出し政府やマスコミが大騒ぎになっています。ハンドルネームは「SENGOKU38」と言うユーザー名で、いかにも意味ありげな人を食った方法です。

政府の危機管理の杜撰さを世界に向かって発信し、大恥をかき犯人捜しを躍起になって行っているようですが、本質を全く理解しないで責任論だけで解決しようとしている姑息さが問題であることに気付いていない。

そもそも、くだんの映像は不起訴にして本国に返してしまった時点で法的な証拠価値は皆無に等しく、後は憲法で保障している「知る権利」に如何に対応するかが中心で無ければならないはずであった。海上保安庁にしてもビデオ映像の目的の一つは、この「知る権利」に対応するために行っている。その証拠にかつて北朝鮮の不法船に対しての銃撃映像は、何のためらいもなく放映しているではないか。

本来「外交」とは、国益国益の戦いである。だから日本の国益を最大限に発揮するために外交は存在するのである。しかるに現実は不思議なことに相手国の国益の立場に立って判断し、結果として弱腰外交に終始している現実を憂い、危機感を持った憂国の志士が職を賭して行ったと判断できる。

日本の正しい主張として、歴史的に我が国の領土であることを証拠で示して世界に発信する覚悟、あるいは政府自らが世界に向かって今回の衝突事件が如何に挑発的なものであったかを発信する覚悟が、国益を第一に考える外交なのである。しかるに相手の恫喝に萎縮して我が国民の誇りを失わせても何の反省もない指導者に突きつけた鉄槌であると理解している。

我が国の正当性を、世界に向かって発信しなかったために大東亜戦争になってしまった歴史的事件があったことを上智大学渡部昇一教授が指摘している。それは1937年7月中国の通州地区で起きた「通州虐殺事件」。日本軍留守部隊約110名と婦女子を含む居留民約420名を中国軍約3千名の部隊が突如襲撃し、日本人ではとても想像できないような残虐な方法で約230名が虐殺された事件。この事件を世界に向かって発信していたならば世界の見方は変化し、日本の立場は有利に働き大東亜戦争の結果も違っていたと言っている。

外交は相手国に阿るのではなく、毅然とした姿勢で我が国の国益のためにするのが本筋ではないか。これが本当の信頼関係を築く元であることを再認識してもらいたい。
憂国の志士を生け贄にすれば、かつて田母神幕僚長を日本が正しいと言ったために馘首した小心内閣の二の舞になる事を忘れないで欲しい。