張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

「孫子」を忘れた姦雄

先の民主党代表選挙で、政治とカネのネガティブキャンペーンの最中にもかかわらず、あえて立候補に及んだ裏には、日本の将来に対する危機意識があったと推察する。しかし、結果はご承知のとおりとなってしまった。危機意識の高揚からの出馬であれば「孫子」を活用して、先ず勝ちて後、戦いに挑むべきであった。

政治の世界では「清濁併せのむ」の姿勢が重要であると言われている。善・悪分け隔てなく国難に立ち向かう人事が要求され、広く度量のあるたとえとして使われているのはご承知のとおりです。
ところが、選挙後の人事では、大衆に迎合したクリーン政治の美名の下に、徹底した姦雄派排除を実行してしまった。これは「清濁併せのむ」と言う度量の大きさを示さずに、小心者の選択をした結果である。小心者は反対派を取り入れる恐怖心から徹底して同志で固めてしまい、露骨すぎる論功行賞を行う癖がある。

この結果、与党内に200名近くの反対勢力を自ら作ってしまったことになる。参議院数では与野党逆転が続いている上に、与党内の不満分子が行動したらどうなるか。その結果責任は、小心内閣が追うことになる。来年度の予算編成とそれに関連する法案審議が円滑に行くとは思えない。だからこそ「清濁併せのむ」姿勢が不可欠だったのである。

姦雄が敗戦にもかかわらず余裕の姿勢を保っているのは、やがてくる第二の政局で「捲土重来」を期していると思われる。そうでないと200名の同士を裏切ることになる。本当に一兵卒で終わるのか。最も綿密に「孫子」を研究しているかも知れない。

ところで、今回の代表戦に有識者から憲法違反の疑いがあると提言されているのをご存じでしょうか。一国の総理大臣を選ぶのに党員・サポーターが選挙権を持ち、投票しました。一般国民は蚊帳の外です。しかし、党員・サポーターの中に国内に選挙権のない外国人が入っていたのです。申し込み用紙には国籍欄がなく、本人確認も行われず会費を払いさえすれば投票が出来る仕組みです。しかも党本部では外国籍の人数さえは把握していないのです。だから間違った投票用紙が配られてしまい、告訴されている代議士もいると報道されています。こんな杜撰な管理体制で党員・サポーター票の獲得数が総理大臣を決定する異常さが重大問題としてマスコミは糾弾すべきではないでしょうか。

蛇足。かつて麻生総理は施政方針演説で「未曾有」を「ミゾユウ」と読んで国民から馬鹿にされました。今度は管総理が国連総会の演説で「疾病」を「ヒツビョウ」と読んでしまいました。世界中が注目している国連演説ですよ。歴史認識の欠如だけだと思ったら国語力も欠如していたのです。