張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

今、不思議な現象が起きています。

先の参議院選挙で民主党は「財政再建は、未来へのチャレンジだ」と言って、「日本全体の債務残高はもうすぐ900兆円。収入以上の借金を続けるこの国の運営は、どう考えてもおかしい」として、諸悪の根源である「特別会計」にメスを入れずに増税路線に走ったことが惨敗の一つになりました。

この中で、やがては財政破綻したギリシャになると煽ったことは記憶に新しい。この理論の間違いをブログ166号で指摘しました。曰く、900兆円は国民の立場で見れば財産である。対外債権を266兆円も保有している。政府の所有している財産は500兆円だから、純債務は400兆円である。と。

ところで金利は資金に対する需要・供給の関係で成立します。資金需要が旺盛ならば金利は上がり、不足ならば金利は下がります。今の日本はデフレ経済に入っていますから当然資金需要がなく金利は史上最低で8月4日には長期金利が遂に1%を割ってしまいました。

ところが、中国が日本国債を大量に買い始めています。900兆円も借金があり、やがてはギリシャのようにゾブリン・リスクが発生するかも知れない日本国債を世界最低の金利にもかかわらず大量に買うことは普通では考えられません。何か裏があるのでしょうか。ありません。世界で最も安全な日本国債だから低金利でも、外貨準備のリスク分散を図るために購入しているのです。

外国為替の変動が激しい今日、高金利につられて外貨投資した人は円高よる為替差損で痛い目に遭っている人が沢山います。だから、今求められているのは「安全」なのです。広い世界を見渡して一番安全な通貨は「円」であり、「日本国債」であることが見直された結果でしょう。

我が国の「国債」を蔑んで、増税路線に持っていこうと意図を見抜かねばなりません。現実のマーケットが最も安全な「国債」として証明してくれているのです。
民主党の言い分、一部マスコミの報道に誘導されることなく(本当はどうなのか)の感覚を鋭く持つ習慣を作りましょう。