張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

いよいよ始まったパラダイムシフト

ブログナンバ-146号で、電気自動車が与える業界衝撃波について説明しましたが、いよいよ中小企業群が起ち上がりました。日経新聞7月28日号で「大阪・門真と守口、中小、電気自動車に走る」サブタイトル「家電の町、技術の蓄積活用、商工会議所も開発推進」と題して、以下の記事が掲載されていました。
曰く、地域の中小企業が連携して電気自動車の開発に取り組む動きが広がっている。パナソニック本社があり、「家電の町」と言われた大阪府門真市守口市では、板金加工会社や地元商工会議所が開発をする。技術の蓄積を生かせるEVに力を入れ、家電大手の海外シフトで沈下した地域経済の活性化を目指す。
この開発プロジェクトには23社の中小企業が参加し、それぞれ役割分担を決めて、平成23年3月末までに試作車を完成させる計画である。

従来の自動車はエンジンが心臓部で、これに技術を集約していました。ところが電気自動車は、モーターとバッテリーと制御システムがあればよく、電気の知識があれば誰でも作ることが出来ます。構造が簡単なことから部品数は従来車の3万点から1万点に節約出来ることから、開発コストは遙かに少なくて済む。後はバッテリーの充電時間と走行距離だけとなってきている。

危機感を抱いた自動車メーカーは電気自動車の普及を急ぎ、GMは「ボルト」を360万円で売り出し、トヨタアメリカの電気自動車ベンチャー「テスラ」と業務・資本提携を5月に発表。その他の自動車メーカーも一斉に追随している。

しかし、環境保護の観点から、この流れは次第に加速度を上げ、あっという間にパラダイムシフトは起き、中小企業の合従連衡によって、やがて新たなメーカー群が誕生し、既存の自動車メーカーで対応を誤ったところは淘汰の運命が待っている。
インターネットの驚異的な普及が中小・零細企業を復活させたと同様、電気自動車の普及は中小・零細企業にとって最大の福音となるよう、常にアンテナを高く張り巡らせ、我が社の対応を考えることがトップの命題であるという認識が大切なのです。