張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

理想と現実

仕事でお客様を訪問し、経営問題の相談を受けアドバイスすることがよくあります。この際、素直に受け取る人と、そんなことは理想だから無理だと言って否定してしまう癖を持った経営者がいます。否定的な人は「脳」の持っている無限の力を活用していませんし、現状維持派です。従って業績も思うようには行きません。

「理想」とは、我が社が抱いているお客様に対する期待値です。「現実」とは、お客様が我が社に抱いて行動した結果です。人間の歴史を見ても「理想」を描いたからこそ「現実」が生まれたのです。この区分を明確にすることによって、「脳」はフル回転をフルタイムで行い「理想」を「現実」にする実際行動が起きてくるのです。「脳」の特性は目的を与えられると、それに向かって全力投球するように設計されているからです。だから「脳」の特性を引き出すためには「理想」が不可欠なのです。「現実」を重視しているだけなら「脳」の働くチャンスがなく結果として業績を伸ばすことが出来ません。

従って、利益を確保するために売上を上げるという発想は我が社の都合の話であり、お客様第一主義主義ではないのです。本質は、どうすればお客様に買って頂けるかというお客様の立場に立った考え方が基本であり、これがお客様第一主義なのです。言葉ではお客様第一主義と言っていながら実際行動は我が社第一主義となって業績を落としているケースが多いのです。

先日、ガイアの夜明けというテレビ番組で、部品の短納期で営業利益率20%以上という驚異的な業績を上げている会社が紹介されていました。社長曰く、どんな部品でも必ず期日内に納入し、お客様から絶対的な信頼を得ている。どこにも負けない短納期の秘密は、ノウハウを蓄積し半製品を造りだめすることである。注文が来たらその中から選択し、お客様の寸法に会わせるだけであると。だから短納期が実現し、お客様第一主義を徹底しているのだと。見事です。「理想」は経営者に不可欠の要素なのです。