張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

歪められた組織論

組織とは目的を成し遂げるための手段である。と「経営の哲学」という著書の中で、ドラッカーが明言しています。

この原理原則を当てはめて、今日世間を賑わしている民主党副幹事長であった生方幸夫氏の辞任劇について考えて見ましょう。マスコミはこぞって、小沢幹事長独裁制をやり玉に挙げて、あたかも悪徳代官が権力を振り回し、横暴を恣にしているイメージで報道していますが、本当でしょうか。違和感をもってしまいます。

小沢一郎氏は幹事長として、民主党の党務を総括する責任者です。民主党の基本理念は「自由で安心な社会の実現をめざして」で、この理念を実現させるために、安定した政権与党が不可欠であることを誰よりも深く認識しています。政権交代を確実にするため、幹事長の意を介し、一枚岩として行動する副幹事長を幹事長が任命しているのです。ところがこの副幹事長が党内で批判するのではなく外部のマスコミに向かって、幹事長の言動を批判してしまいました。結果は更迭です。これにマスコミが飛びつき、幹事長批判を煽りに煽っている現実は異常で感じます。組織は理念実現に向かって一枚岩で行動することが基本だからです。これを無視すれば組織は崩壊します。

身近な企業組織で考えれば当然理解できることが、何故歪んだ形で報道されてしまうのか疑問に思います。
たとえば社長が一人の役員を抜擢しました。ところがこの役員は社内で社長を非難せず、外部に向かって社長の方針を批判し続けました。当然会社運営に支障が出て来ます。厳しく忠告するか、それでも忠告を無視したら当然馘首となります。事業経営ではごく常識的な行為が、小沢幹事長の問題となると何故これほど逸脱してしまうのか。何かの意図が込められていると判断せざるを得ない。

各種の情報には発信者の意図が込められています。無批判に受け止めてしまうと、情報操作される危険がありますから、どちらが主流か考える習慣を作りましょう。