張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

何か変だよ今日の葬式ビジネス

 最近の葬式に違和感を感じていませんか。そう感じていたのは私だけではありませんでした。島田裕巳という宗教学者が最近「葬式は、要らない」と言うタイトルの本を発刊し、結構売れているようです。
 サブタイトルは葬式大国日本・日本の葬式無用論、平均費用は231万円でダントツの世界一。です。

 以前の葬式は隣組が中心となって、喪主の家やお寺で行うのが当たり前でした。隣組の苦労は大変なものがありましたが、お互い様という互助の精神から厳かに行われていたのです。

 ところが、市場原理主義が横行するようになってから、葬式ビジネスは成長産業と言うことで、雨後の竹の子のように急増し、葬儀社の立場では豪華一点張りの葬式は利幅が高いのでどんどんエスカレートして、多数の専門職を抱えることで高額化に歯止めがかからなくなっているのです。中には少人数の職員が掛け持ちで良心的な金額で行ってくれるところもありますが、大多数はビジネスオンリーに傾いています。
 その結果、どうなったのか。確かに隣組の負担は極端に軽減された反面、喪主の費用負担が高額になってしまったのです。

 本来、香典というものは、故人に対する供物であるとともに、不意の事態に遭遇した故人の家族への支援の意味合いが強いものなのです。ところが市場原理主義が行きすぎると、利益追求が急務となり、頂いた香典以上の支払を葬儀社に支払う羽目になって、大幅な支出超過が現状なのです。これでは葬儀社栄えて家庭滅ぶ。と言う、異常な社会となってしまっているのです。

 この現実に違和感を覚え、島田教授が前掲書を発刊。この中で、都会では高額な葬式費用に耐えかねて、葬式を一切行わない方法が目立つようになっていると報告されています。
 本来の葬式とは何なのか。その原点に立ち返り、厳かな雰囲気で行う方法について再検討すべきではないでしようか。
 今回はたまたま目立ったビジネスに注目しましたが、大不況の中で、原点を見つめ直すチャンスを与えられたと認識し、ホジィティブシンキングで挑戦しましょう。