張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

パラダイムシフトで業界が一変する

 パラダイムシフトとは、その時代や分野において当然のことと考えられていた認識や思想、社会全体の価値観などが革命的にもしくは劇的に変化することを言う「ウィキペデイアより」

 今、環境意識の高まりの中で電気自動車(EV)が注目されているが、これまでの産業構造を激変させる「劇薬」になる可能性が高まりつつある。
 電池が自動車の心臓部になれば、当然、エンジンの生産技術こそが自動車メーカーの強みを決定づける要素だったものがエンジンや変速機は不要になって、鍵を握るのは電池とモーターに移ってしまう。
 これまでの生産シフトであった部品を内製化して一つの企業で完成させる生産方式は根本的に変化し、EVが普及するにつれて、自動車業界では、昨日の勝者が明日の敗者となりかねないインパクトを持っている。

 なぜならば、EV車はモーターで動くから、性能の良いモーターを買ってきて様々なメーカーから部品を調達できれば、ちょっと知識があれば個人でも自動車を作ることが可能になってくる。こうなればモーター製造が得意な電気メーカーや電池メーカーをはじめとした異業種の参入が劇的に起きる。

 従って、今までの業界に安住していれば我が社の危機を招いてしまう。歴史的にデフレ不況の時代では画期的な新技術が開発され、あっという間に席巻してしまうことは19世紀のデフレが証明している。

 今、世界のトヨタがリコール問題で大騒ぎになっているが、これも過度期の象徴的な出来事と思えてならない。訴訟社会アメリカでのリコール問題は底なし沼になる可能性が高い。何しろ泥棒が屋根から落っこちて怪我したら家主を訴えて勝訴するお国柄である。このリコールを奇貨として揺るぎない信頼を勝ち取って貰いたい。それが日本再生の近道だからである。
 それにしても経営者はパラダイムシフトを念頭に置いて我が社の将来を築いて貰いたい。