張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

「成功神話」は復讐する パート2

 1990年、早稲田大学の山田英夫先生が「成功神話」は復讐する。と言う著書を講談社から発刊している。
これによると「リーダー企業は、戦略定石どおり事業を行っていれば、その地位は安泰である」、「リーダー企業ほど、その地位を狙われている企業はない」この二つはいずれも真実である。として事例を紹介している。

 世界のリーディングカンパニー「トヨタ」が正に「成功神話」は復讐する。を再現している。トヨタカンバン方式で高能率、高品質を武器に販売高世界一を誇ったのもつかの間、今や世界中で一千万台というリコール問題が続出し、更なる業績悪化が懸念されている。
 コストダウンを徹底するため、部品の共通化と低価格を求めてグローバル化した結果、一カ所でも不具合が発生すれば、たちまち世界中に被害が広がる危険性を常に内蔵しているという危機管理意識の欠如が招いたものである。

 2月5日の記者会見で横山常務が、ブレーキ不具合は構造上の欠陥ではない、と言う強気の発言を行い、あたかもユーザーの過剰反応であるかのごとく言い訳をしていた。これは重大な発言であり、明らかにリーディングカンパニー「トヨタ」の奢りである。

 リコールとは製造・設計上の不具合が見つかった場合、メーカーが国交省大臣に報告するとともに、回収・無償修理することであり、不具合の判断は本来ユーザーがするものである。現実にユーザーから不具合の報告があるにもかかわらず構造上の欠陥ではないと強気の発言をする経営陣に問題がある。
 トヨタエコカープリウス」の欠陥は旗艦車であるだけにダメージは大きい。
 「勝って兜の緒を締めよ」トヨタのケースを反面教師として、奢ることなく常に謙虚な気持ちで経営に邁進して貰いたいものである。