張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

過去の数字に拘りすぎていませんか

 会社法で規定している財務諸表は、確定決算主義と言って、株主総会の決議に基づいて確定することはご承知のとおりです。税法でも課税所得を計算する前提は、会社法の財務諸表から誘導して行います。

 会社法の財務諸表や法人税法が要求している税務会計は、法律によって定められています。従って、経営者の考えたかの中心は、このような制度会計に重点を置いて経営してきました。右肩上がりの古き良き時代ではこれで充分通用してきたのです。これからもこの考え方で充分だと考えている経営者が多いのもうなずけます。

 しかし、100年に一度の激震と言われる経営環境を乗り切るには、従来の手法は全く役に立ちません。このことをしっかり理解して行動しないと羅針盤を失った船と同じになって難破しかねません。

 何故か。確定決算に基づく制度会計は、全て過去の数字の集積です。過去の数字をいくらいじくっても1円の得にもならないのです。過去の数字は反省材料になる程度で、これからの数字を創り出すためには殆ど役に立たないことを理解する必要があります。

 経営者の仕事は何でしようか。それは将来にわたって事業を継続させることではないでしょうか。そうであれば反省材料にしか過ぎない過去の数字に拘るのではなく、これからどうすれば事業を継続させることが出来るかが課題の中心になるべきではないでしようか。だからといって、漠然と将来のことを考えても堂々巡りをするだけです。囲碁の格言に「下手な考え休むに似たり」と言うものがあります。心すべきですネ。

 どうすればいいの。簡単です。「経営理念」に基づいた「経営方針」、「経営計画書」の実践が最適なのです。何故か。経営者の仕事は経営数字を創ることだからです。この経営数字を創り出す最適な道具が「経営理念」、「経営方針」、「経営方針書」なのです。これなくして経営者の知恵を引き出し実行することは困難でしょう。

 中には俺は数字が弱いと言って平然としている経営者がいますが、これは間違いであることを理解して貰いたいものです。誰が操縦には自信がありませんというパイロットの飛行機に乗りますか。これと同質なのです。手の口の足を使って今すぐ実践行動を取りましょう。時は待ってくれません。