張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

戦略無き戦術は失敗しますから注意

 以前、「戦略無き戦術は失敗」、「戦術無き戦略は空想」という内容の話をしましたが、経済環境が激変している今日こそ、この言葉の意味を理解して実行しなければ徒労に終わる危険性が極めて高いので注意して下さい。

 「戦略」とは企業経営では「経営理念」と同意語と考えて良いでしょう。「戦術」とは「戦略」を達成するための手段・方法を言います。

 急激な環境変化には理性さえ失いかねません。しかし、本質をしっかり押さえて実行しないと本当に徒労に終わってしまいます。企業経営の本質は先ず「経営理念ありき」なのです。我が社は何のために存在するのか、我が社は何によって貢献するのか等々の命題に応えることこそが「経営理念」なのです。

 この基本となる「経営理念」を確立する労を惜しみ、現実から出発して再建計画を立てても結果は不可能という結論しか出てこないのです。現実からの発想だけでは今現在のデーターが元になりますから結果は困難という結論しか出てこないのです。答えは経営計画なんて意味がない。と言うことになります。本当でしようか。

 事業の経営は「経営理念」を実現するためではないでしょうか。そうであるならば視野は360度に展開できるはずです。この中から「理念」実現のための「戦術」が無限に湧いてくるはずです。そうすることによってのみ柔軟な発想が可能となり、過去の数字にとらわれない答えが見つかるはずです。
 百年に一度の危機とは大胆な発想の転換を促すシグナルと捉え、原点を見つめ直すチャンスとすべきではないでしょうか。

 現実は「戦術」の対策に終始し、時間を使っているケースが多いのではないでしょうか。事業の経営に失敗せずゴーイングコンサーンを実現するためには「経営理念」が不可欠であることを再認識して貰いたいものです。
 かつて経営の神様松下幸之助氏は販売不振で不満を漏らす部下に対して、売るものがなかったら松下電器の「経営理念を売りなさい」と叱咤。これがヨーロッパ市場を確立した原因であると解説されていることをご存じでしょうか。諦めが脳細胞を萎縮させるのです。脳細胞は常に刺激を求めているのです。