張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

差別化戦術について

 事業の成功させるためには同業他社との差別化が必要であることは誰でも知っている事実です。また、高収益を上げるための秘訣は、価格決定権を持つ事だと言うことも周知の事実です。しかし、知識としては知っていても実際に我が社で実行するまでに具体化しているところは少ないのが現実です。

 今、金融バブルの崩壊で、過大設備,過大在庫、過大人員が一挙に表面化し、極端な調整局面に入り、何時、正常化するのか皆目分からない状態が続き、日毎に減収・減益のニュースが流れています。

 過剰人員を当て込んで農業が脚光を浴びています。食料自給率確保のため農業の将来性についての特集があちこちで組まれて一種のブームにもなっています。

 しかし、いくら農業に期待しても従来の方法では継続するだけの利益を確保することは困難でしょう。以前にも指摘しましたが長芋を現地で手当てすれば5本で1,500円で買えるものが,スーパーで買えば3本入りで3,900円。これでは農業経営は維持できません。価格決定権を持っていない悲劇です。あまりにもJAに依存し過ぎ、自らリスクを取らない体質になってしまったためです。この体質から脱皮しない限り継続は無理です。

 お米についてはどうでしょうか。農薬をたっぷり使い、強制乾燥させたお米はJAで安く買い取ってくれます。これでは差別化は無理です。今、消費者が求めているものは、安全で美味しいお米です。
 有機農法を徹底させることで高品質の認証を確保すれば最低でも60キロ24,000円で売れるのです。JAは一切通さず全て個人売りで、現金前金で商売しているところもあるのです。

 苦節10年、近所から変人扱いされても有機農法に夢をつないで今日の農法を築き上げたのです。JA納入価格の倍以上の価格を自ら設定して、しかも消費者から感謝される、仕事冥利に尽きると言えましょう。

 売上は優に一千万円は超え、安定した利益を確保しています。だから精神的にも安定しており、大酒飲みですが人間ドックでは優良児の判定を受けているようです。一般の企業経営も全く同じです。激震が続く今日、原点挑戦に挑みましょう。