張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

不可解な言動

 小泉元首相の言動が波紋を呼んでいます。曰く、「現在の与党の議席がどのようにして得られたのか良く理解していないのではないかと危惧の念を持っている」と。いわゆる郵政民営化選挙で議席数が増加したとを指していったものである。

 今、小泉内閣の元で実行された行きすぎた規制改革の負の部分が現実化し、毎日マスコミで報道されているのはご承知のとおりです。

 そもそも郵政民営化問題の発端は、アメリカの日本に対する年次改革要望書が基になっている。日本国民の虎の子である郵便貯金と簡易保険の約350兆円を市場に開放し、その為に民営化が必要であると言うものです。市場を開放することでアメリカの金融資本が自由に使えるようになり、やがては民営化によって弱体化した会社を日本長期信用銀行等が禿げ鷹ファンドに蹂躙されたようにする方針だったのである。

 民営化とは株式会社化することで、これによって、効率化が実現し郵政の活性化が図られると大いに宣伝されたものである。しかし、民営化とは資本の論理で行動することであり、不採算部門の切り捨ては当然となり、国民にあまねくサービスを行うという精神から逸脱するのは分かりきっていたはずである。

 郵政民営化の実態を国民が知る前に選挙で勝利を収めるために、一説ではアメリカの広告業者が500億円で選挙キャンペーンを請け負い、洗脳を諮ったと言われ、見事に絶対多数の勝利を獲得した。刺客まで立てて選挙を行うという前代未聞の出来事もあった。
 当時、民営化問題を担当した村井仁代議士は、あまりにも危険な法律であるとして、身を挺して反対し議員を辞職した事はつい数年前の事である。

 「構造改革無くして成長無し」のスローガンの下で、郵政民営化、是か非かを問うた結果、真実を知らない国民は圧倒的多数で自民党に投票し、劇的な勝利を与えてしまった。しかし、民度の高い国民は既にこのカラクリに気付き、麻生総理までも反対論を言い出すような雰囲気を作ったのである。この空気を理解せず、相変わらず当時の事を口にして現政権を批判することは不可解と言えよう。
 そもそも引退を宣言した後に言うべきではない「老兵は消え去るのみ」品格を保持しましょう。