張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

デパート業界長期低迷の教訓

 デパート業界が長期間にわたって低迷している原因を仮設してみます。それは時代の流れに応じた情報発信に問題が潜んでいると考えられます。

 以前は豊富な品揃えで、デパート自体が情報発信基地でした。ともかくデパートに行きさえすれば新しい情報が得られたのです。ところが少子高齢化が顕著になり、一年経過する毎に高齢者が増加します。加齢と共に基礎代謝が低下し病気を誘発しやすくなり、冬期間になれば薄くて温かい下着が好まれます。特に省エネが叫ばれている今日、その需要は拡大傾向です。

 デパートはこのような時代の要請に対して何処まで具体的な情報を発信してきたでしょうか。相変わらず仕入れてきた商品を大規模な売り場面積を利用して陳列しているだけのような傾向が強く、品質はよいが高価格帯商品が殆どである。

 ところが、ウォームビズを先取りし、繊維メーカーの東レと提携して「ヒートテックシリーズ」を開発したユニクロの下着類が飛ぶように売れているのである。ユニクロには失礼だか、今まで「安かろう、悪かろう」のイメージを持っていたため一度も買い物の経験はなかった小生が、若者に勧められてタイツとパジャマを求めたが既にタイツは売り切れ、パジャマを買って着用したら,1,990円なのに柔らかくて保温力抜群、今までになかった感触に一発で満足度満開、次の日に二着目まで購入してしまった。ついでにスポーツ用品のミズノで「ブレスサーモ」を購入、早速着用、値段は多少高めに設定してあるが保温力の良さに大満足。

 この二つの経験を見て、デパート業界の低迷原因の謎が解けた。これらの業態は殆どがクチコミ情報で信頼度は抜群であると共に積極的に情報発信を行っているのである。安くても機能性が高ければ売れるはずである。高機能だか高価格帯の商品と比べたら勝負はついてしまう。

 効果的な情報発信を怠り,規模の利益だけを追求しているデパート業界に将来は微笑んでくれないのではないか。
 中小・零細企業の中には情報発信が苦手の経営者がいるが、中小・零細企業ほど積極的に情報を発信する姿勢が大切であることを理解して貰いたい。