張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

経営者の不安心理分析

 アメリカ発の金融恐慌が、バブルに強いはずの日本の製造業を直撃している。超一流と言われるトヨタソニーを筆頭に優良企業が軒並み赤字転落し、「景気」は更に悪化する報道が日常茶飯事となり、暗いムードが蔓延している。

 金融バブルに合わせた供給体制を作り上げ、挙げ句にバブルが弾け過剰設備、過剰人員、過剰在庫が一挙に表面化し、生き残りを賭けてなりふり構わず行動しているのが現状である。

 中小・零細企業はこの波をもろに受けてしまい、先行きの不透明感から夜も眠れないほど心配している経営者が続出している。経営者として我が社の将来を心配するのは当然のことであるが、過度の心配は「取り越し苦労」となり、体調不良の原因を作ってしまうので注意しなければいけない。

 心配することによって解決が可能ならば、大いに心配することは結構であるが、本質的に心配しても解決不可能な場合には、心配するだけエネルギーの無駄である。と言うくらいに割り切ることが必要である。

 囲碁の世界に「下手な考え休むに似たり」と言う格言がある。目標が明確でないと堂々巡りを起こすからである。また、不安心理の根本は我が社の実態をキチンと見極めていないのが原因である。「幽霊の正体見たり枯れ尾花かな」と言われるように、経営者が我が社の立ち位置を明確に認識せずに、従来の考え方を踏襲しようとする姿勢が問題なのです。今、パラダイムの大転換と言われのは、従来とは違った経営手法を取り入れなければ極めて経営が困難な時代であることを物語っているのです。

 ではどうすればいいのか。不安心理を解明する努力をすれば良いのです。具体的には、我が社は何のために存在するのか、の問いかけに答えを見いだし、それを実現するための「経営理念」を策定し、これに基づいて「経営方針」を作成し、これを達成するための「経営計画」を作成する以外に解決の道がないことを是非知って貰いたいものである。そうすることによって、経営者として本当は何をしなければならないかの答えが分かってくるのです。答えが分かれば不安は自動的に解消します。そうなれば不況の今こそ、実はチャンスであることを実感できるはずです。勇気と信念を持って実践しましょう。