張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

宝の持ち腐れ

 長野県安曇野には豊富な水系がある。北アルプスを源流に梓川高瀬川など水量が豊富で高い品質を保っている。同じ源流でも信州大学の水質検査では、梓川より高瀬川の水の方がミネラルが数倍豊富に含まれているという結果が出ているようである。しかし、何故か現実は梓川の水を活用した「水ビジネス」が盛んである。豊富なミネラルを含んだ水は高瀬川流域の有明地方が高いのに変である。

 現在、長野県では地域興しの一貫として「信州サーモン」のブランドに人気が集まっている。
 「信州サーモン」は長野県水産試験場が開発した養殖専門の品種で、虹鱒とブラウントラウトを交配させて信州独自の新種として開発されたものである。

 「信州サーモン」をミネラル豊富な高瀬川流域の自然水だけで育てれば、近畿大学が成功した養殖マグロの刺身以上に美味しいことが判ったのである。当然、飼料も良質のものを使わないとダメだけれども、飼料以上に大切なことは、ミネラル豊富な自然水を無制限に使うことである。これによって品質は抜群に向上し、他の水域で育てたものより格段の差が出るという。
 ところが、ミネラル豊富な天然水の活用方法が殆ど知られていない。またこの水で育った「信州サーモン」の良さを理解している人たちが殆どいない。

 何故か。ミネラル豊富な天然水を活用するビジネスモデル、美味しい「信州サーモン」を目玉として売り出すビジネスモデルを確立することによって、お客様の成長・発展が実現できるという発想が足りないためである。貴重な情報を発信することによってビジネスチャンスは生まれてくる。では情報発信の手段は何かと問えば、中小・零細企業に最適なインターネットの活用が費用対効果の上でも望ましい。
 情報発信という最低限の努力を怠れば、身近な貴重な資源を無駄にしてしまう。これを宝の持ち腐れという。