張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

駅伝と日本の製造業の強み

 箱根駅伝は正月の風景として定着している。駅伝は日本発祥であると言われ英語でも「ekiden」が正式名称である。駅伝は江戸時代の東海道五十三次における伝馬制からヒントを得て、1917年4月27日に行われた読売新聞社主催の「東海道五十三次駅伝競走」が元祖である(ウキペディアより)。

 世界史を見ても物資の移動や人の移動には日本の伝馬制のような制度があり、西部劇の幌馬車は特に有名である。ところが駅伝競走が盛んなのは日本だけである。何故なのか?西洋の精神は個人主義が中心であり、日本は農耕民族として集団主義が中心になって(和を以て貴しとなす)のDNAが底流に流れているからである。個人主義が強くなると集団で目的を達成するという意識が希薄になり、制度として定着しにくい。

 一方、日本ではある目的を達成するためみんなが協力するDNAが無意識のうちに働くため、集団行動は得意となる。これが品質管理における提案制度が発達する土壌となり、改善は「カイゼン」の英語名で通用するまでになっていることはご承知のとおりである。

 労働組合でも、日本は企業内組合が主流であるが、アメリカでは産業別組合が発達している。日本では企業と共に成長するという思想が強いのに対して、産業別組合は企業の業績より自分たちの要求を優先させる傾向が強い。今、問題になっているビッグスリー労働組合の要求を呑み続けたため、コストが高くなり競争力を失ってしまったのが原因の一つとなっている。だから国民の賛同が得られれずゴタゴタしているのである。

 今日、アメリカの賭博資本主義の失敗で、大恐慌寸前と言われ、経済環境が激変する中で、日本が生き延びるためには良きDNAの伝統を活かし強い製造業を復活されることが先決である。今こそ、日本の製造業が元気を出して大波を乗り切る事が唯一の方法であると認識して貰いたい。その為には何のために我が社が存在するのかという原点を見つめ直す事からスタートするべきです。今がチャンス。