張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

景気悪化に伴う緊急保証制度の積極的活用について

 野放しの市場原理主義によって、未曾有の金融危機が発生。このあおりを受けて実体経済がメチャクチャになってしまった。政府は中小企業の経営支援を行うため、10月31日から新たな金融支援策を実施していることは既にご存じのとおりです。

 企業は、損益で赤字になっても資金が続く限り決して倒産はしません。激震が続く経営環境の中で、今大切なことは資金の確保です。

 今回の緊急セーフティネット対策の中で、売上総利益率が3%低下した場合も融資対象となりました。従来は売上高が3%以上減少しなければ対象にならず、増収・減益の企業は対象外となっていました。
 この対策が決定されたことによって、殆どの中小・零細企業が対象になりました。何故か?投機資金の撤退によりあらゆる資源価格が急落していることはご存じのとおりです。

 中小・零細企業は期末棚卸の評価方法を最も簡単な「最終仕入原価法」を採用しているはずです。「売上総利益率」は棚卸金額が確定した瞬間に計算することが出来ます。融資を受けようとする月末の棚卸を実施しさえすれば融資が受けられるのです。物価が下落しているとき、「最終仕入原価法」を採用していれば在庫の評価を最後に仕入れた安い金額で全てを評価できるからです。これだけ物価が下がって来れば、一挙に含み損が発生し、売上総利益率は著しく低下します。と言うことは殆どの企業は緊急融資の対象になると言うことです。

 今回の金融危機はどんなに早く立ち直っても最低3年はかかると言われています。この間、不測の事態に対処するため、資金は潤沢に持つことが危機管理として必要です。積極的な活用をお奨めします。
 政府の緊急対策には枠があります。早めに対応しないと枠が無くなってしまう可能性が大です。
 「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ」と言われています。1929年の大恐慌の経験を学びましょう。