張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

社員教育の原点

 最近あるところから社員の定着率が低く、経営が不安定になり困っているので、外部のセミナーに出して教育して貰うという話を聞き、違和感を覚えてしまった。

 本当に定着率の低下を外部のセミナーに頼って解決するものだろうかと。セミナーのうたい文句は、受講すれば全てが解決するような宣伝を中心に勧誘していることは常套手段となっている。
 宣伝が真実であれば、何もマスコミ等を使って宣伝しなくても、自ずから高い評価が得られるはずである。何故、頻繁に宣伝するのか、その本質を冷静に判断してから行動を起こすべきである。

 本来、社員教育の原点は、経営者自らが行うべき問題である。その根本は「経営理念」の確定である。
我が社はこのような考えで社会に貢献するとか、このような製品の開発によって社会に貢献するとか、経営者の事業に対する基本的な考え方を「理念」として文章化し、社員に理解させることが教育の原点である。

 だから、外部のセミナーで教育を受けさせる前に、経営者の「理念」を徹底的に理解して貰うことが不可欠なのである。

 「経営理念」を確定せずに、社員教育云々は、経営者の怠慢と言わざるを得ない。中小・零細企業の経営者の中には、このことを理解しつつも、多忙に紛れてついおろそかにしているケースが目立っている。
 100年に一度の金融危機と言われ、実体経済に激震が走っている今日、原点を見直すチャンスと捉えるべきではないでしょうか