張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

年計損益計算の薦め

 一般的に我が社の業績を示す資料として、試算表を利用します。その中で、損益状況を表したものが損益計算書と言われ、月々や累計の判断に使われています。しかし、この試算表では現時点での状況は理解できますが、傾向を判断するには季節変動などの要因により、グラフにすると鋸の歯のようにギザギザになってしまい正確な判断が出来ません。また、細かい数字が羅列されていますので、数字嫌いの経営者には敬遠されがちです。

 そこでお奨めするのが「年計」を利用して損益状況をグラフにして傾向を見ることです。
 「年計」とは過去12ヶ月の累積データーに前年同月の差額だけを加算する方法で、季節変動が除去され、傾向が敏感に反映される素晴らしいグラフです。グラフは三本の線で表現され、見た瞬間に脳が反応します。

 1本目のグラフは売上年計グラフ、2本目が変動費年計グラフ、3本目が固定費年計グラフです。売上年計グラフと、変動費年計グラフの間が付加価値を表し、付加価値から固定費年計グラフの差が純利益となります。傾向を見るためには、過去60ヶ月分くらいの月次損益計算の資料があれば充分です。

 グラフで見る習慣を付けることによって、数字嫌いが解消されるばかりでなく、数字は結局経営者が創り出すものであることが理解できるようになります。グラフを見て、あれこれ理屈を言うのは評論家。すぐに行動を起こすのが経営者。貴方はどちらのタイプですか?

 激変する経済環境の基では、我が社の状況がどのような方向に向かいつつあるのか、常に把握しておく必要があります。