張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

経営者の通信簿

 一般的には学校から父兄に送られる成績等の情報を集めた報告書を通信簿と言います。
 企業経営においても、事業の経営情報を集約した通知表を公開する義務を経営者は負っています。それは、貸借対照表損益計算書、キヤッシュフロー計算書を言い、財務諸表と言われています。

 これらの財務諸表は、全社員が「手」と「口」と「足」を動かし、経営者の理念実現に向かって行動した結果によって作成されるものです。従って、財務諸表作成の最高責任者は経営者と言うことになります。

 ところが、俺は数字に弱いので、経理担当者に任せているとか、会計事務所に全てお願いしているという経営者を時たま見かけます。とても違和感を感じてしまいます。本来、経営者の責任において作らなければならない財務諸表を他人に任せるとはおかしいですね。
 中には勘違いしている経営者もいます。確かに専門的な経理問題や税法の問題は専門家に依頼することは問題ありませんが、経営の数字は他人に任せることは出来ません。それは経営者が作り出すものだからです。
 企業経営には経理や税法の専門的知識は不要です。たった三つの方向を押さえていれば間違いないのです。それは我が社が上昇傾向か、横ばいか、下降線を辿っているかをチェックすることです。その為には「年計」という考え方を利用することです。最低60ヶ月分の資料を用意して年計グラフを作ることによって三つの傾向が鮮明に表示される優れものです。

 会社全体の動き、得意先別の動き、得意先別付加価値の動き、商品別の動き、商品別付加価値の動き等応用範囲は多岐にわたります。

 つぎに、費用を全て、売上に対して変化する仕入や外注の変動費と、売上に関係なく発生する固定費に区分する習慣を付けましょう。これには専門的な知識は不要です。この区分が出来ると、先に案内した「賃率」の問題も理解できます。また、数字は細かいところまで理解する必要はなく、最低千円単位で結構です。大きな数字でものを見る習慣を付けましょう。そうすると数字が見えてきますし、人間行動の結果としての数字に興味を持つようになり、結果として通信簿の成績が良くなります。挑戦して下さい。