張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

ガソリン価格の不思議

 米国の博打資本主義の破裂で、世界同時株安が進行中です。株の失敗を穴埋めするため、投機資金が現金化を実行しています。この結果、あれほど猛威をふるっていた原油をはじめ農産物や鉱物資源の価格がピーク時の半額以下になっている状態が続いています。また、ドル不安のあおりで円高が進み、100円を突破。

 投機資金が原油価格を押し上げて1バーレル147ドルになった時点で、国内元売り各社は、経営難を理由に、相次いで値上げに踏み切り、1リッター当たりのガソリン価格は182円近くまで上昇した。
 10月17日現在の原油価格は70ドルを割り込んでいると共に円高が進行し、100円近辺である。ところが10月16日現在の全国平均のガソリン価格は161円である。

 1バーレル147ドルから70ドルに激変。率では52%ダウンである。しかし、ガソリン価格はピーク時の12%しか値下げされていない。この差益は何処に行っているのでしょうか。
 元売り各社は原油高騰時には、それに比例して敏感に値上げをしながら、原油が下落したときには鈍感になってしまい、値下げを小出しにしている実態をどう説明するのでしょうか。

 末端のガソリンスタンドは、過当競争で青息吐息なのに、元売り各社は、我が世の春を謳歌している現実に、改めて、経営理念を問いたい。

 原油ばかりではなく、鉱物資源、各種農産物も投機ファンドの投げ売りで、価格は半額以下である。しかし、あらゆるメーカーは、相変わらず価格高騰を理由に、現在でも値上げラッシュが続いている。円高の進行で値下げインパクトは強いにも拘わらず、値上げとは如何なものか。

 企業継続には利益確保は不可欠ではあるが、過度の利益追求は、やがてその付けが回ることを、今回のアメリカ経済の破綻を反面教師として理解して貰いたい。