張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

21世紀型「風が吹けば桶屋が儲かる」とは何か

 原油価格をはじめ、資源価格や農産物価格が異常な高騰を示し、世界的な怨嗟の的になっている。
 原因はBRICsの経済成長であると言われているが、真実は投機マネーの異常流入である。例えば原油1バーレル当たりの価格は現在115ドル前後であるが、その内60~80ドルは投機筋であると言われている。

 投機をするには資金が必要である。その資金はどこから調達しているのか。
 実は投機資金の4分の一は日本円の資金であると言われている。
 史上初の超低金利を10年以上も続けている日本の円を投機マネーとして利用し、莫大な利益を上げている投機ファンドがあらゆる資源価格の高騰を招き、世界的な不況を創り出して、投機ファンドに非難が集中しているが、基を正せば本当の原因は、日本の低金利政策なのである。

 国内金融資産は一千五百兆円あると言われているが、仮に金利が3%になれば国民に利息として45兆円が入ることになり。景気は一挙に好転する。
 しかし、借入金体質の中小企業は金利負担増で経営危機に陥る事になる。また国・地方を合わせて千二百兆円の負債を抱えている財政は金利負担だけで36兆円増となり、現在の税収ではとても持たない。このような矛盾を日本経済は抱えており、未だ解決策が見いだせないでいる。

 経済学とは「経国済民」の学問であるはずである。今日、この矛盾をマクロ経済から整合性を持たせて安定成長するにはどうすべきかという提言を行うのが真の経済学者であると考えるが、未だヒーローは出てこない。「経国済民」が出来ないような経済学者は偽物と言わざるを得ない。ケインズはいるか?

 日本の低金利政策が続く限り、投機ファンドがぼろ儲けする。現代版の桶屋の話である。