張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

奇貨居くべし   食料安全保障

 奇貨居くべしとは、「史記呂不韋伝が出典で、現代の意訳は(得難い好機を逃さず利用しなければならない)と言う意味に使われています。

 中国産毒入り餃子の発覚で、国内はてんやわんやの大騒ぎ。中国の不満分子の仕業以外には考えられませんが、マスコミは現象の報道に終始し、政府を含めて本質を突いた議論がないのは残念です。
 毒入り餃子事件が何故起きたのか。中国の安全衛生に対する認識不足が発端となっているが、本質は先進国中最低の食料自給率にある事を認識すべきである。

 我が国の食料自給率は昭和40年頃は73%、平成18年度は39%である。アメリカ、フランス、ドイツ、英国は74%~130%の高さで、食料安全保障を見事に完備している。数年後には食糧危機が訪れると言われている今日、今回の事件を機会に根本的に見直すべきで、国民の食料安全、健康維持を目的に、少なくても70%以上を確保し、その為の農業政策を今再検討するべきが本質でなければならない。

 問題の餃子の輸入依存度は2002年度で87%と言う統計が出ている。2008年度では100%に近づいているのではないか。販売されている餃子は全て輸入品であると考えて対応した方が無難である。安ければ何でも輸入するという商業主義が招いた結果であり、食の安全という観点から見直すべきではないか。

 中国は急激に発展したため、ひずみが大きく、特に環境問題が無視されてきた。
 最近、樹氷で有名な「蔵王」上空に、中国の大気汚染の帯が衛星で確認され、酸性化が進行している事実が判明した。いずれ「蔵王」近辺の農産物は壊滅するのではないかと警告が出されるようになった。

 今回の事件は、天の警告として真摯に捉え、早急に自給率向上対策を実施、国民生活の安全を確保することが急務といえる。