張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

格付け会社の功罪

 サブプライムローンの破綻をきっかけに世界経済が大混乱に陥り、対応を誤れば大恐慌に発展する恐れさえ出てきた。
アメリカの金融機関は、ローンを証券化して投資家に販売するのが一般的で、この証券の格付けを行っているのが、ムーディーズとかスタンダードプアーズである。
 証券販売には信用力の低いサブプライムローンだけでは評価が低くなるので、信用力のある債権をミックスさせて商品化して販売する。この商品の格付けを専門に行っているのが格付け会社である。
 販売当初、各付け会社の評価は最高と評価されていた。商品に何が含まれているのか分からない腐ったハンバーガーの評価を最高として発表した格付け会社の責任を問うべきではないか。
 安心した投資機関は高利回りにつられて積極的に購入した結果、ヨーロッパを中心に信用不安が一挙に拡がってしまった。商品の中身が複雑で損害の確定が困難であったことが拍車をかけてしまった。
 かつて、トヨタ自動車の格付けを下げて問題になったことがある。理由は終身雇用を行っている為であると。また、日本国の国債評価をアフリカのボツワナ共和国以下であると評価したこともある。世界一の債権大国日本の評価を下げた意図が分からず問題になったこともある。
 確かに投資家にとって格付けは投資判断の材料になるが、鵜呑みにすることは危険である。
 
 サブプライムローンは、10数年前にバブルを経験した日本人からみれば信じられない事である。
 毎年、不動産価格が上昇することを前提に、頭金なしの長期ローンを設定。当初は金利も4%~6%程度、数年後には金利が10%で返済元本は倍増するという内容である。これで低所得者も住宅を持てると言うことで一挙に拡大し、これが住宅バブルの引き金を引いてしまった。いくら不動産価格が上がるからと言って、こんな内容の契約は行き詰まることを理解して、慎重に対応すべきであった。しかし、融資する金融機関もビジネスチャンスとみて煽った形跡があり、ある面では作られたバブルであったのかも知れない。
 経営者としての教訓は、他人の判断を決して鵜呑みにしないことです。本心・良心に則り変だなと疑問に思ったことは必ず確認を取る姿勢を作っておくべきです。本心・良心は直感力として信じて良いでしょう。