張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

不可解な光景

 去る12月20日、ある民放テレビ番組で、与野党の国会議員が集まって討論している場面を見ました。
議題は「最近値上がりしているもので困っているものは何か」に対して殆どの国会議員は「ガソリン価格」と答えていました。庶民感覚から言えば当然の答です。しかし、違和感を覚えたのは小生だけでしょうか。
 そもそも、国会議員とは何でしょうか。国会議員とは法律を作ることが仕事のはずです。法律を作るとは議会で裁決することではないのです。自分たちが起案して、提出することから始まるのです。

 便乗値上げの野放しを許し、国民が疲弊している状況を理解しない国会議員
 原油価格高騰の原因を調査もしないで、便乗値上げが横行している今日、国民の生命財産を守るために選出された国会議員は「ガソリン価格」の高騰が困ると言って、大衆迎合するようでは、歳費だけで1人当年間3,500万円近くの税金を支払う必要があるのだろうか。
 国民生活を直撃している原油高騰について、どうすれば安定した生活を保証することが出来るのかを国会議員は第一に問うべきである。
 国家備蓄170日分と民間備蓄70日分について、効果的な活用方法はどうすればよいのか。あらゆる物価に波及している値上げ現象をどうすれば抑制することが可能なのか。期末在庫の評価方法について後入れ先出し法を採用し、莫大な評価益を出す企業について自主規制の方法についてどうすべきなのか等々、国民生活の安定を保証する国家の議員であれば第一義的に考えなければならない緊急課題であると考える。
 新聞報道によれば後入れ先出し法を採用している企業で「出光興産」は今回の原油値上げで460億円の評価益が見込まれると言われている。確かに評価方法は企業の自由選択とはいえ、今回の値上げは多額の評価益があるにも拘わらず実行に踏み切ったことは、明らかに便乗値上げと言わざるを得ない。
 「ガソリン価格」高騰で困っています。と言っているような評論家的な国会議員は不要ではないでしょうか。国会議員は国民の代表として、今こそ真価を発揮して信頼を取り戻して貰いたいと考えています。
 混沌とした世の中では、本当の姿が見えにくくなっていますから、常に原点に戻って考える習慣を付けましょう。経営の本質もまったく同様です。