張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

経営者の心得 「四知」の教え

 最近、耐震偽装から始まり、食品偽装、期間偽装、製造偽装等、あらゆる業界で偽装事件が続出しております。一方では公務員の贈収賄事件や職務怠慢による不祥事の発覚。倫理観の欠如が顕著です。
 このような時代を生き抜くには「古を以て鏡となす」と言われるように歴史に学び、経営者としての資質の向上に努めなければなりません。
 ここでは「四知」の知恵について考えましょう。
 「四知」とは中国古典の「後漢書楊震伝」に出てくる(天知、地知、我知、子知)の四知を言います。
 二人の間だけの秘密でも、天も知り、地も知り、我も知り、相手も知っているから、いつかは他に漏れるものであると言うこと(広辞苑
 不正や悪事はいつかは必ず世間の人に知られるようになるという戒め(成語林)

 楊震後漢の官僚で最高位まで上り詰めた人物です。楊震が地方の太守に任命されて任地に向かう途中に立ち寄った場所で、その県の県令王密が夜、楊震の宿舎に尋ねてきた。王密は以前楊震の部下だった人物で、その当時目をかけてくれたお礼ですと言って、楊震にお金を渡そうとした。楊震はこれを断りますが、王密は「夜分のことですので、私がここにやって来たことも、お金を渡したことも、誰にも知られることはありません」と言って渡そうとしたときに楊震が言った言葉が上の「四知」です。

 不祥事を起こした経営者や官僚はこの言葉を知っていたでしょうか。もし知っていれば良心が警戒信号を発して阻止できたはずです。一瞬の判断ミスが社運を傾け、晩節を汚すことになるのです。
 迷いが生じたら第一に「良心」に問いただして下さい。「良心は決して裏切りません」。何故なのか「良心」は宇宙の意志に直結しているからです。「宇宙の意志」は真、善、美という正しい心だけを素直に受け入れるシステムになっているからです。(天風より)
 現在は、カジノ資本主義と言われ、儲けるためには何をしても構わないという風潮が蔓延しています。だからこそ「四知」の考えが生きてくるのです。
 何のために我が社は存在するのか、と言う命題に取り組んで頑張りましょう。