張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

本当に原油は高いのか

 レギュラーガソリンが一リットル150円を超え、消費の停滞が景気の先行きを暗くしています。1バレル100ドル近くの原油価格は間違いなく異常で、100パーセント輸入に頼っている我が国にとって経済の減速は間違いないと言われ、諸物価高騰の原因を作っています。
 しかし、本当でしょうか?原油高騰をチャンスとばかりに一斉に値上げに走っている様子が見えてきます。マスコミは社会の木鐸として真実を伝える使命を持っているはずです。ところが現実はスポンサーの言い分をそのまま記事にして報道する姿勢が目立ちます。ある程度は資本主義の基ではやむを得ないかも知れません。

 次の事実をご存じでしょうか。
 1980年の原油価格は1バレル40ドル。このときの円相場は1ドル227円。1980年の原油依存度5%、最近の依存度1.5%。
 最近の原油価格は1バレル100ドル弱ですが、円高が進み1ドル110円前後です。円高が急激に進んだため、原油価格の高騰を殆ど吸収しているのです。
 次に原油依存度が5%から徹底した省エネ対策によって現在では1.5%にまで改善され、ピーク時に比べ三分の一程度になっているのです。このことは原油高騰の影響度が三分の一になり、耐久力が世界で一番高いことを示しています。
 理論的には1バレル170ドルに到達した時点が、石油危機の時と同じインパクトになると言われているのです。

 一説によると、今回の原油高騰の原因を作ったのは、ゴールドマン・サックスの陰謀であると言われています。
 ヘッジファンドの異常なまでの資金投入に加えて、ゴールドマン・サックスが価格高騰を煽るレポートを発表して、更に高騰を煽り大儲けを狙う構図がカジノ資本主義の典型として浮かび上がってきます。
 また、日本の超低金利を利用したヘッジファンドが大量資金を投入し、資源高騰の原因を作っている構図も見えてきます。

 以上のように、原油価格の高騰が日本経済を直撃する度合いは少ないはずです。これに便乗した価格高騰に国民は監視の目を強めなければなりません。その意味でマスコミの責任は重いと言えます。