張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

上司の暴言が原因で自殺の悲劇

 マネー至上主義が横行し、金儲けするなら何をしても構わないという世相が、行き着くところまで来て問題が噴出。
本来不良債権に近いサブプライムローンを優良債権の如く化粧して売りまくり、腐ったハンバーガーを購入した金融機関が経営危機に陥り、世界経済を震撼させた事件。プロの金融機関でも騙されたとは、如何に欲に目がくらんでいたかの証明である。
 または、「円キャリートレード」で日本の異常に安い金利を利用したファンドが儲けるためにあらゆる資源を買いまくり、資源高騰の原因を作っている現実。いわゆるBRICsが経済発展したため資源が高騰したという報道は一部で正解であるが事実は投資ファンドが原因である。結果として格差が異常に膨らんでしまい、将来に対する不安感が、何が起きてもおかしくない風潮を作り上げてしまっている今日、危機管理の大切さを教えてくれています。

 過日の新聞で、上司の係長から受けた暴言を書き留めた遺書を残して自殺した社員が、裁判で労災の認定を受けた報道がありました。これを単なる情報として見るのではなく、我が社の就業規則を見直す機会と捉えるべきではないですか。中には就業規則を作ったまま机の中にしまい込んで作ったことすら忘れてしまっているケースもあり、法律改正で見直すどころか作成当時のままの状態の会社が多いのが実情です。

 このような時代では会社の盲点を突いて、権利だけを主張する社員が目立つようになってきていますから注意が必要で、少なくとも次の各項目ぐらいは再チェックしておくべきでしょう。
1.試用期間の設定について・・・試用期間中でも入社15日以上は自由解雇は出来ない。
2.育児介護休業法について・・・平成17年4月から施行された育児介護について必要条件を明記しているか。
3.役職者に対する残業代の支払いについて・・・役職手当の中に残業代が含まれている場合、その金額を明記しているか。
4.退職金の支払い義務の有無について・・・企業には退職金を支払う義務はない。但し、就業規則で明示すれば支払義務あり。
5.セクハラ・パワハラの明文化について・・・懲戒規定と連動して抑止効果を狙った規定にしてあるか。
6.社員の定義につて・・・社員の定義にパートやアルバイトを除外してあるか。
 危機は突然やってきます。事前対策が経営者の責務ではないでしょうか。