張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

現代の少正卯(ショウセイボウ)パート1

 先ず補助線から
 「天網恢々疎にして漏らさず」老子の言葉として有名な言葉です。内容はご存知と思いますが「天が悪人を捕らえるために張り巡らせた網の目は広くて粗いが、悪事を犯したものは一人も漏らさず取り逃がさない」と言う意味です。
 次は「四知の知恵」、後漢書楊震列伝より。天知る地知る我知る君知る。が原典で「誰も知るまいと思っていても、隠し事というものはいつか必ず露見するものである」と言う意味です。・・・補助線終わり。

 紀元前500年春愁時代の思想家孔子が、魯の国の宰相となって7日目に最も有能な人材として評価の高かった「少正卯」を誅殺してしまいました。事情を知らない国民からなんで有能な人材を誅殺してしまったかの問いが続出。これに対して孔子は誅殺の理由を五つ列挙して説明したのです。

 人には五の悪いことがあるが、盗みやコソ泥はそこには数えられない。とした上で
一つ目、詮索が好きで込み入ったことを考える事
二つ目、行いが邪に隔たりが頑ななこと
三つ目、言うことは偽りが多いが口が達者なこと
四つ目、記憶していることがよろしくないことばかりでしかも知識も幅広いこと
五つ目、悪事を行って念入りなこと。

 この五の内、一つでも当てはまれば、君子の誅殺は免れる事は出来ない。少正卯はこの内いくつかを兼ね備えていた。だから言葉や語りは邪悪を飾って民衆を惑わすのに十分であり、その強さは魯に謀反を起こし独立できる程であった。これは小人の傑物というものであり、誅殺しないわけにはいかない。
 現代の少正卯は誰でしょうか。次号に続きます。